木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

未熟さを改める

 「自分の未熟さを改めないと、周囲の人に不快さを与えてしまう」私はいつもそう思っています。また、周囲の人にもそのように伝えていますが、自分自身反省することがありました。

 先日、「言うこととやっていることが少しずれていませんか」と指摘を受けました。指摘されたことの中に、そう言えば、言われる通りだなと反省したところもありました。さらに、それ以外にも謙虚さが足らなかったり、寛容さに欠けていたり、正しく、やさしい言葉づかいができなかったりと、未熟な部分が浮かんできました。こうした未熟なところが知らず知らずのうちに周囲の人に、不快さを与えているのだろうと思いました。

 私の学んでいる素心学では、「素心学の本質は、物知りになることでも、偉くなることでもありません。自己の欠けていることろに気づき、そこを正していくところにあります」と教えられています。これまでにも、自分の欠けていることろに気づくということは、多くありましたが、それを正すという行為が不充分であったということです。人の未熟なところを指摘し、そこを改めさせようとしている間は、自己を正す行為はできていないというように思います。

 まず自分の足元をしっかり見つめ未熟なところを正していく行動をとらなければなりません。自分の内側に矢印を向けて、自分の未熟なところを正していく行為、行動をとる中にこそ、周囲の人を良い方向に感化していく力があるのではと思いました。謙虚に自己を正す、未熟さを改める大切さに気づきました。

 日常の心がけの実践、二十の徳目の修得により具体的に取り組みたいと思います。まず「正しくやさしい言葉づかい」に取り組みたいと思います。これまでついつい感情的にものを言ってしまうことがありました。語気が荒いこともありましたが、まずここから正したいと思います。ゆっくり、やさしく、丁寧に、わかりやすい言葉を選んで話しかけたいと思います。はじめは、ぎこちないかもしれませんが、これまでついた心のクセを根気よく正していきたいと思います。同時に、心の内側からも素心の五行(禅的瞑想、歩行、写字、柔体、清掃)に取り組み、静かな喜びを心に根づかせる努力もおこないたいと思います。

 
 
 
 
 

2014年9月 第284号より

芳野 栄

 
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