木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

チームワークを大切にしよう

  「イヤー!!」「オッショイ、オッショイ、オッショイ」とかけ声をかけながら勇壮な男たちが、重さ約一トン近くもある き山をかつぎ、タイムを競う“追い山”で今年の博多祇園山笠も終了いたしました。間近かで見たことはありませんが、テレビで見ていて、その迫力にいつも圧倒され、せまってくるものがあります。

 毎年この博多祇園山笠の“追い山”を見ていて思うことは、“チームワーク”の大切さです。“追い山”と会社経営とが重なってきます。“台上がり”と呼ばれるリーダーの指揮のもと“ やま ”が動きはじめます。“台上がり”は“ ”の調子や配置などに問題はないか、また き手の交代どきを見定めながら交代の指示はじめ多くの指示を出します。一方、“ き手”は全身で山笠をかつぎ、気をゆるめず、“台上がり”の指示に忠実に従いながら山を進めます。さらに、“追い山”は約五キロメートルの距離を山をかついで走るタイムレースです。
 従ってより良い結果を出すために、皆で力を合わせ、心を一つにして、全力で走り抜きます。

 会社の経営もこの“ き山”と同じと言えます。会社という“ き山”に社長というリーダーが“台上がり”しています。一方“ き手”は社員と言えます。全員が体調を万全にととのえて“追い山”という企業活動に臨みます。

 “台上がり”のリーダーは、社員である“ き手” 一人ひとりの状態を把握し、レース前に万全を期します。また一人ひとりの特性(能力や性格)をよく理解したうえで“ き手”の配置を決めます。そうした準備をととのえた上で、目標をめざして元気にスタートです。時間の経過とともに“ き山”の重さが次第に肩にのしかかり、それとともに肩の痛みで顔をゆがめる“ き手”もでてきます。すかさずリーダーは新しい“ き手”に交代の指示を出します。“ き手”同士が励げまし合ったり、周囲の人からの力水で元気をとりもどすこともあります。そのようなことをくり返しながら、右に折れたり、左に折れたりしながら、必死に一瞬の気を抜くこともなく目標をめざします。途中“?(き手”や進路に思わぬトラブルが発生すると、会社という“ き山”が倒れないとも限りません。リーダーには、早目早目の対応と先読みが求められます。同時に全員の心を合わせ、心を一つにそろえることも大切な役割です。目標に到達できた時はじめて、リーダーと社員がその達成を喜ぶことができます。それまでの苦労が大きければ大きいほど喜びも大きなものとなります。

 リーダーと社員の一体感、社員同士のチームワーク。これらが何よりも大切だということを、博多祇園山笠のフィナーレ“追い山”を見て、いつも感じています。

 
 
 
 
 

2014年8月 第283号より

芳野 栄

 
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