木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

無事に感謝

 一月から三月下旬頃まで、全国で猛威をふるったノロウィルスによる食中毒や、インフルエンザの流行に心配しながら過ごす日が続きました。今回のノロウィルスによる食中毒の発生源の一つに学校給食のパンがあげられましたので、より身ぢかなこととして考えざるを得ませんでした。もともとパンには、焼成の工程があり、大丈夫ではないかと思っていただけに、今回のことにショックを受け、これまでになく、とても神経を使うこととなりました。お客様にも協力していただき、トイレ利用の際には、トイレ専用のスリッパに履きかえていただき、そのスリッパにも充分消毒したり、トイレのドアノブの徹底した消毒を実行しました。当然、スタッフ全員にも手洗いの徹底をお願いいたしました。おかげでノロウィルスが沈静化するまで、一件の発生もなく、危機状態を脱することができました。また、三月末までに、インフルエンザに感染したスタッフも一人もでずに胸をなでおろしました。

 ノロウィルスやインフルエンザに感染するスタッフがいなかった。お客様にもご迷惑をかけることがなかった。そうした一日が、とてもありがたいことだと実感できた毎日でした。何事もない、当たり前のことがこれほどありがたいものかとつくづく思いました。きょう一日の無事に感謝せざるを得ませんでした。

 私の学んでいる“素心学”で教えられるように、夜寝る前一日の無事に感謝し、次のように「感謝の言葉」を述べるようにしています。

 「きょう一日、無事に過ごすことができました。無事に過ごせた日が最良の日です。よいことを望むのは、欲深いことです。ありがとうございました。」

 一月から上に述べたようなことを経験する中で、「感謝の言葉」にあるように、何事もなく無事に過ごせた一日が、心からとてもよい一日だ。良いことを望むのは欲深いことだと感じれるようになりました。体調をくずして休むスタッフがいなかった。スタッフが仕事中にケガをすることもなく元気に働いてくれた。きょうもお客様のお役に立てた。働く充実感や安堵感が味わえた。おだやかに明るく過ごせた。このようなことに優るよい日はありません。よいことがあった日が、良い日だと思うと、何事もなかった日は、よい日だとは言えなくなります。反対につまらない日になってしまいます。欲深いことです。

 スタッフ達が、仲良く、元気で明るく、朗らかに、笑顔が絶えないこと。お客様のお役に立ち喜ばれること。これらに優る幸せはないと思い、明日の無事を祈りながら床に就くようになりました。

 
 
 
 
 

2014年5月 第280号より

芳野 栄

 
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