木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

和気藹々の家庭づくり

 今月は、和気藹々の家庭づくりに努力されていらっしゃるご夫妻の話をさせていただきます。そのご夫妻は、松岡秀男さん、和枝さんご夫妻です。お二人は、私の学んでいる素心学塾(池田繁美塾長)で、二人ご一緒に素心学を学んでいらっしゃいます。お二人とも公務員として勤められたあと退職し、第二の人生をどのように生きていくかを考えていらっしゃいました。丁度その時、池田塾長のご講演を聴く機会があり、その話を聴いて、目からウロコが落ちるように、自分の欠点と傲慢さを思い知ったそうです。それから、池田塾長を人生の師と仰ぎ素心学の勉強を始められました。

 お二人の素心学を学ぶ姿勢から、私達塾生は多くのことを学ばせていただいております。何より頭が下がるのは、退職後悠々自適の生活を送り余生を楽しむ傾向がある昨今、退職後なおもみずから人間学を学び人格を高めることに力を注ぎ、志高く生きようとされていらっしゃるのです。心から敬意を表しています。また、素心学研修所まで、毎月二回、山口市から車で片道一時間半程かけて通ってこられるのです。雪の降った日は、高速道路が閉鎖のため、いつもの倍以上の時間をかけて通って来られます。こうした努力をもう、八年も続けられています。強い覚悟で学ばれていらっしゃるのが伝わってまいります。

 お二人は、とても仲よく、たのしく学ばれています。研修所と自宅の移動中の往復三時間あまり、車中で素心学の学びについての会話がはずむそうで、とてもほほえましく思います。また、素心学を夫婦で学ぶ良さは、「夫婦で価値観を共有できることです。」とおっしゃっています。

 そうした努力の結果、お二人の行動がご家族にも、とても良い影響を与えられています。何よりも、一番身近かな娘さんが、お二人の素心学を真剣に学ぶ姿を見て、「私も素心学を学びたい」と研修所に足を運ばれるようになったのです。ご夫妻の親としての姿をよいお手本と感じたのでしょう。さらに今度は、素心学を学ぶようになった娘さんが、ご主人にも良い影響を与えられ、ご主人は、子供さんに接する態度について改めるようになったそうです。また、子供さんは、そうしたご両親の変化に、親のありがたさを感じ、親元から離れて生活する中にも、ご両親への感謝の気持ちを忘れないで、その気持ちを伝えてくれるそうです。

 松岡さんご夫妻が、真剣に素心学を学ぶことで、和気藹々の家庭づくりができていることが、わかります。また、周囲の人にとても良い影響を与えていらっしゃることがわかります。素心学では、“師表徳化”という言葉を大切にしています。その意味するところは、みずから手本となりまわりを感化することです。お二人の行動はまさに“師表徳化”にあたります。また、素心学を学び自分だけが幸せになるのではなく、周囲の人も幸せにしていくことも大切とされています。そうした素心学の奥義を極められているように思えます。ご夫妻のこうした努力の中に、和気藹々の家庭づくりの秘訣があるということを学ばせていただきました。

 

2014年3月 第278号より

芳野 栄

 
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