木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

心満たされた一日

 平成二十五年九月十七日(火曜日)、雲一つない快晴。気温28℃。猛暑からすっかり解放されとても気持ちのいい、すがすがしい静かな初秋の一日。この日六十二回目の誕生日を迎えた。

 午前六時起床。禅的瞑想、洗面を終え、年一回の定期健康診断へ。結果異常なく晴々。快晴の空のように身も心もすがすがしく、おだやかな一日が始まる。ゆったりとした時が流れていく。健康であることに心より感謝。また明日九月十八日は、創業二十五周年。

 ここまで無事にやってこれた最大の要因は、大病もせず大きなケガもせず「ただただ健康であったこと」この一言につきると思う。この年になると毎日痛いところもなく健康で過ごせていることが幸せな事と実感できる。一日の終わりには感謝の気持ちがわいてくる。「ありがたい。」「父母はよく私にこのような丈夫な体を与えてくれたものだ」と心から感謝せざるを得ない。「ありがとう。」

 午後、義姉から父の還暦の時、父母がそろって影った額入りの写真を誕生日のお祝いとしていただいた。誕生日のプレゼントとして何にもかえがたい最高のプレゼント。早速私の部屋の原点の座(毎日禅的瞑想や感謝の言葉や一日の反省を行う場所)に置き、誕生日恒例の「 父母恩重経 ぶもおんじゅうきょう 」を唱えた。「 父母恩重経 ぶもおんじゅうきょう 」は、両親の恩の大きさを説いたもので、何度唱えても、「 父母 ちちはは 恩重 おんおも きこと てん きわ まりなきが ごと し」の部分で感謝の念が高まり、感極まり涙腺がゆるむ。また「 父母 ちちはは 十種 じっしゅ 恩徳 おんとく あり」の所にも同様に感謝の念が高まってくる。

 父を胃癌で早くなくしたものの母は九十五才で天寿を全うした。その時の最後の母からのメッセージは、(私が自分でそう解釈している)「細胞の一つ一つが命つきるまで体を大切に大切に使いなさい。そして世の中や人の役に立つ人物となりなさい。」ということだった。母親が亡くなった年に対して、すでに三分の二を過ぎようとしている。私に与えられた使命を果たす上で欠くことのできないこの体。さらに健康の維持管理をしっかりおこない、両親からいただいたこの体を大切に使い、活しながら世の中の役に立つよう努力、精進したいと思う。そのことが父母に対する供養であり、私の最も大切なつとめだと思う。

 とても心満たされた、いい一日。

 「ありがたい、ありがたい。」

 

2013年10月 第273号より

芳野 栄

 
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