木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

ひと言ひと言に心を込める

 今年の私の目標は、ひと言、ひと言に心を込めるということです。わかりやすく言えば、“正しくやさしい言葉づかい”ができるようになることです。私にとって未熟なところの一つにこの“正しくやさしい言葉づかい”があります。思いやりに欠けた言葉を発して周囲の人に不快さを与えています。そこを正していこうと思っています。
 “正しくやさしい言葉づかい”の正しい言葉とは、話す内容を言います。相手を気落ちさせたり、自信を失わせるような内容を話すのではなく、相手に勇気を与えたり、自信をつけさせたりするような内容を選んで話すことです。相手を否定することも良いこととは言えません。また、“やさしい言葉づかい”とは、話すときの口調を言います。おだやかな口調、やさしい口調、ゆっくりとした丁寧な口調で話すということです。いくら正しい内容でも、語気が荒かったりすると相手に正しく伝わりにくくなります。早口で話したり、命令口調や断定口調は、相手に不快さを与えてしまい、伝えようとすることがよく伝わらないどころか、相手が心を閉じてしまうことさえあります。
 そこで今年は、“正しくやさしい言葉づかい”を意識し、ひと言ひと言に心を込めてみようと思います。“正しくやさしい言葉づかい”ができていない原因は、心がおだやかさを失っているところにあると思っています。心がおだやかさに欠け、イライラしていたり、バタバタと忙しく動き回っている時、あるいは自分の思い通りに事が運んでいないとき、ついついひと言に心を込めず雑になり、“正しくやさしい言葉づかい”とは正反対の言葉づかいになることがあります。ここを正していこうと思います。全ては自分の心のクセ(自我の意識や業の意識の過剰な働き)がわざわいしています。そこでいつも心をおだやかに、ゆったりとまた心を喜びで満たしておけるように、禅的瞑想を中心とする素心の五行(素直な心に近づくための五つの行動)を深め、心を躾けたいと思います。また、日々の反省も欠かさず実践してみようと思います。また慎重に言葉や話題を選びながら、おだやかな口調、やさしい口調で語りかけることも心がけたいと思います。相手の話すことも否定せず最後までしっかり聴き、受け入れてみようと思います。これらを実行、継続し、昨年までの私より少しでも変革できたと言えるようにしたいと思います。
 私がこれまでいい人生を送ってこれたのは多くのかたがたのあたたかい言葉に支えていただいたからだと思っています。これからは、その恩返しができるように、周囲の人を勇気づけ、自信をつけさせてあげ、さらに不快にせず安心と喜びと幸せを感じていただけるような、心のこもった温かい言葉をかけれるようになりたいと思います。ひと言、ひと言に心を込め、丁寧に、丁寧に・・・。
 

2013年2月 第265号より

芳野 栄

 
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