木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

節約は美徳

 今年の夏は電力需給がきびしく、節電が声高にさけばれております。「水や電気の節約」は、何も今年の夏に限ったことでなく、日頃から取り組むべきことが大切だと思っています。

 節約というとケチくさいようにありますが、「節約」とは、ムダを省くことであり、必要なものを省くことではありません。一方「ケチ」とは、必要なものを省くことで、そのことで人に不快さを与えることがあります。「節約」と「ケチ」は明らかに異なり、区別されるべきだと思います。ですから、節約は美徳です。

 水や電気には限りがあります。限りある地球資源を大切に使うことは、人としてとても大切な事です。私達は、便利さを求めすぎるあまり、それにともなって必要以上の資源やエネルギーを無造作に使っています。慎まなければならないことだと思います。

 木輪では今年に入って、電気・ガス・水道の節約を心がけてきました。おかげで電気が7%、ガスが22%、水道が26%(対前年比)も節約できました。とくに、電気の節約によるコストダウンは、金額にするととても大きくなります。オーブンに電気を使っている関係で、オーブンは木輪一番の“電気喰い”です。 一月から生産工程を見直して、オーブンの効果的な活用をはじめました。照明の方も、こまめに消し、“ムダ使いをなくそう”という意識を持ち全員で取り組んでいます。木輪では、これまでの四年半にわたって、「社会人としての日常の心がけ」に毎月テーマを決めて取り組んでおりますが、その中に「水や電気の節約」という項目があり日頃から、節約するという意識が高まっているおかげだと思います。

 私たちの先人は、[質素、倹約」を旨とし、つつましく生活をしてきました。自然の流れに沿った生活をする一方、知恵と工夫で心豊かに暮らしてきました。近年、物質が豊かになり、便利になってきたにもかかわらず、もっともっと便利に、不自由なくより快適にとなおも求め続けています。そうした肥大した欲を満たすために、多くのものが生産され、そのために、多くの電気や水や資源を使っているのです。質素に、丁寧に暮らすことで心が豊かになり満たされてくると思います。

 節電がさけばれている今夏、今一度これまでの生活を振り返ってみて、有り余るものを除き、質素にシンプルに生活してみてはいかがでしょうか。

 
2012年7月 第258号より
芳野 栄
 
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