木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

美しい“一礼”

 

 美しい一礼(お辞儀)は、周囲の人に安心と喜びを与えます。また、その人自身を美しくしていくように思います。

 木輪では、「全員参加の経営」をモットーに“委員会”なるものをつくり、その自発的な活動により意識の向上をはかるとともに、それぞれの課題を解決していこうということに、チャレンジしております。そうした“委員会”の一つに「挨拶向上委員会」があります。スタッフ同士やお客様に対して、不快さを与えず、安心と喜びを与えることができるよう、しっかりとした挨拶ができるようになりましょうと、スタッフが主体的になって努力しております。

 その委員会の五月の行動目標の一つに、「店内への出入り時に“一礼”しよう」というのがあります。スタッフ全員で店内への出入り時に、立ち止まり一呼吸おいて“一礼”しようと取り組んでいます。私達にとって大切なお客様との接点に足を踏み入れる時、またそこから退く時の“一礼”は、大切なマナーだと思います。販売スタッフは、焼きあがった商品を店頭に並べるためにまた、カフェコーナーの片付けをするときなど、一日に数十回、場合によっては百回以上出入りしています。製造スタッフも、お客様に試食をすすめたり、商品の様子を確認するために、何度も店内への出入りをくり返しています。そのたびに出入り口で止まって一呼吸おいて、丁寧に“一礼”をくり返しています。まだ完全には習慣化しておりませんが、丁寧な動作をしっかりやっているスタッフを見ていますと、とても「 ひん」があり、「うつくしい」という思いが喜びと共にわきあがってきます。私も実施しておりますが、きちんと実施するためには、まず周囲の人に不快さを与えないで、安心と喜びを与えようという思いやりの心がなくてはならないと思いました。さらに、心をいつも穏やかにしていなければ、止って一呼吸おいて丁寧な“一礼”はできないと思いました。また、“一礼”をして出入りをくり返すことで、心が静まり、ととのっていくように感じます。心をととのえることで、あわただしさや忙しさも感じなくなり、穏やかな心となって、一つ一つの動作も丁寧に、やわらかく、リズミカルになっていくのを感じます。“一礼”は、忙しくなればなるほど、また生産があわただしくなればなるほど必要とされる行為だと思いました、。また、“一礼”をする際には「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」と自然と心が動き、感謝の気持ちが心いっぱいに広がるのを感じます。

 「挨拶向上委員会」をメンバーが提案してくれた“一礼”は、木輪で働くスタッフにとってというより、一人の社会人として、とても大切な行為である事ことがわかりました。提案してくれたメンバーのスタッフに感謝するとともに、スタッフ全員で、この美しい“一礼”を習慣化できるように努力したいと思います。

 
2012年6月 第257号より
芳野 栄
 
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