木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

素直な心を学ぶ

 

 私の学んでいる素心学(素直な心を学ぶ)の学びの本質は、「自己を知り、自己を正す」ことであり、「学行一致」であると思います。つまり、「他人の欠点を見つけ、他人を正す」のではなく、「自分の欠けているところに気づいて、そこを正す」ことであり、学んだことを学びっぱなしにするのではなく、家族や職場で生かし、具体的に行動していくことです。

 素心学を共に学んでいるKさんは、この二つをしっかり実践され、幸せの方向に一歩一歩進まれています。Kさんは、勉強会の体験発表の中で、次のような話をされました。

 「半年ほど前から反抗期に入ったみたいな中学二年生の娘がいますが、どう接したら良いのか、又どのように接したら彼女が良くなるのか困っていました。そこで以前、素心学で学んだことのある、家族に対して不快さを与えないための10項目、安心を与えるための10項目、喜びを与えるための10項目を書き出し、その中で今の自分に欠けていると思うこと(根気強く話をする)を一ヶ月実践しました。すると、それまで毎日学校から娘の素行について、あれこれと注意の電話があったのが、先週はじめて『良くなりましたよ』との電話があり『よかった!』と胸をなでおろしました。」ということです。

 Kさんは、素心学の学びの本質である、自分の欠けているところをしっかりつかみ、そこを根気づよく正していこうという行動を続けられました。また、素心学で学んだことを実際に行動に移し、娘さんに対して思いやりの心づかいを実践されました。この二つをしっかり実践したことが、結果として表われたのでしょう。

 Kさんは、一年程前から素心学の学びを始められました。当初は人前で話をすることをとてもいやがっておりましたが、店長という立場から人前で話をしなければならず、頭痛の種でもあったのが、今では臆することなく、自分の思いを堂々と伝えることができるようになりました。さらにKさんは、学びをしっかりと行動に移してこられました。「家族に感謝の気持ちを込めて『ありがとう』と言う。」「家庭のトイレ掃除に時間をかけ丁寧に行うことを続けることで、子供達に変化が生じた」「職場で人知れず掃除をしていると無心になることが多くなった」「“自己を知る”ことの大切さを知ると、自分の欠けているところがたくさんあることに気づいた」等々、学びを具体的に家族や職場で行動に移すことで多くの気づきがあったことがわかります。

また「以前ある人から自分の顔を見て“ヤンキー顔やね”と言われたことがありましたが、最近では、そのように言われなくなりました。」と恥しそうに話をしてくれました。今は、素心学を共に学んでいるおかげで、やさしい柔和な顔や表情の持ち主に変化されました。

 「自己を知り、自己を正す」、「学行一致」という素心学の本質を理解し実践することで目の前の問題を一つ一つ正しく解決され幸せの方向に向かっていらっしゃいます。そのような仲間を見ると心からうれしくなり、もっともっと応援してあげたい気持ちになります。

 
2012年4月 第255号より
芳野 栄
 
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