木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 
和気藹々 わきあいあいの家庭を目ざす
 
 先日の木輪の新年会の席上、今年の抱負の一つとして「妻を大切にします」とスタッフの前で誓いました。

 毎日、若いスタッフと共に楽しく働いている妻の幸せそうな姿を見ていると、私も幸せを感じています。しかし、実際のところは、毎年重ねていく年には勝てず、満身創痍といったところが現状です。

 昨年の十二月頃から腕の痛み( うずき)を訴える日が続いています。夜寝ている時に腕が うずき、充分な睡眠がとれない時があるということです。使い過ぎから来る うずきだろうと思います。ひ弱な体の妻にとって二十三年間の労働で、体力の限界に近づいているのでしょう。木輪を創業する前に、「最初の五年間だけ手伝って」「あとは一人で何とかするから」という約束も、すでに十八年もオーバーしてしまいました。常に私のそばで、それこそ私の手となり足となって助けてくれているのです。申し訳ないという思いでいっぱいです。家事や育児はもちろん、さらに仕事まで、よく頑張ってくれた事に感謝しても感謝しきれるものではありません。少しでも疼くのをやわらげてあげようと、時々疼く腕やその周辺をマッサージしてあげていますが、筋肉の落ちた細い腕とシワをきざんだ手をさすってあげていると、申し訳なさで心が痛んできます。

  これから仕事をせずに、趣味を見つけて楽をして欲しいと思い、妻にすすめてみても、「今の私から仕事を取り上げられたら、それこそ苦痛です」との返事。体の負担にならない程度の仕事は続けたいとのこと。それならばせめて、精神的負担をかけないようにしてあげようと思いました。まず彼女が不快さを感じるような私の言動は慎むことです。夫婦であるということで、ついついわがままがでてしまって不快さを与えてしまったり、負担を強いることになりがちですが、自分自身を律していかなければならないと思っています。

  私の学んでいる素心学では、「思いやりを施す順番をあえてつけるとすれば、一番が何よりも家族に対してです」とあります。二人の子供も私達のもとを離れ、私にとって唯一の家族は、妻ということになります。これまでのこともあり、妻に対して本気で思いやりの心、つまり、不快さを与えない、安心と喜びを与える心づかいを実践してみようと思っています。自分のことは自分でする。今以上に自分の体を動かし、妻の負担を軽くしてあげる。妻が心おだやかに日々を過ごせるよう気づかってあげる等々を実践しながら、和気藹々の家庭をめざしたいと思います。
 
2011年2月 第241号より
芳野 栄
 
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