木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

心を鍛える

 

 この三月で木輪を卒業し、独立開業の準備に本格的に取り組むようになる社員がいます。経営者の先輩として、心を鍛え強い心で、経営に取り組んで欲しいと思います

 今月は、これまで私が自分の心を鍛えるために気をつけてきたことについて、述べてみたいと思います。

 一つ目は、「約束・規則は、必ず守る」こと。独立開業をすると忙しさのあまり、人との約束を果せなかったり、ひどい時には忘れていたりすることがありました。また、規則も、自分の都合にあわせて解釈したり、守らなければいけないとわかっていても、例外をつくって守っていないこともありました。そうした弱い心を正そうと、「交通ルールは必ず守る」ことを決め、実施するようにしました。例えば、停止線からはみ出さないように車を停止させることや、夜間の横断歩道で車が通っていなくても、赤信号では渡らない等、例外をつくらず「約束・規則は必ず守る」ことを自分に課しました。

 二番目は、「継続は、克己なり」という言葉があるように、「一つのことを継続する」「自分で決めたことを最後までやり遂げる」こと。これも例外をつくらないで実施するようにしました。

 三番目は、困難な道と楽な道がある場合、困難な道を選んできました。岐路に立ったとき、ともすると、楽なしかも効率の良い道を選びたくなることがありましたが、敢て、むずかしく、ややこしい、手間のかかる道を選んできました。おかげで、物事を一つ一つコツコツと丁寧に実行していくことの大切さを学べました。

 わがままを言わず、周囲の人たちと調和していくことも心を鍛えることになりました。経営者という立場から、社員が黙って働いてくれていることをいいことに、ついついわがままが顔を出し、自分の思いを通してしまっていたと反省したこともありました。わがままをおさえ、周囲の人(家族や社員)と調和をはかろうとするところで心が養われ鍛われたようです。

 また、経営者として、言行一致は大切なことです。言うことと行動を合致させることで、ゆがんだ心はまっすぐに修正され、心は鍛われると思います。

 経営者となり、会社を経営していくこと、それ自体が心を鍛えることになりますが、さらに、座右の銘を持つことで経営姿勢に一本筋が入り、ぶれない心が養われるように思います。一つの会社を立ち上げ、永続しようとすれば、私欲をなくし、正しいことを実行していこうとする信念も大切になってきます。信念を貫くためにも強い心であることが必要です。

 独立開業を前にした社員のみならず、私自身もさらに心を鍛え、立派な経営者を目指したいと思います。

 

 
2010年3月 第230号より
芳野 栄
 
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