木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

日本一の父親をめざす

 

 上甲 晃先生(志ネットワーク代表)は、デイリーメッセージというメッセージの中に、「日本一」と題して、「○○の日本一になるというように、思いを大きく持て。人は思い以上の人生は送れない。思いが大きくなれば可能性が開く。」ということを述べられていました。

 私も木輪のスタッフにも思いを大きく持っていて欲しいと思い「皆さんは、何の日本一になりたいですか」と尋ねてみました。スタッフの一人、今ア拓君は、「将来、パン屋さんを開業し、日本一、温かい、やさしい、思いやりのある雰囲気のパン屋にします。」としっかり答えてくれました。来春、独立開業というしっかりとした目標があればこその日本一≠セと思いました。
 
 ところが、翌日になって、昨日言った日本一≠フ内容を「私は、日本一の父親になります」という内容に変更しますということでした。どういう心境の変化があったのでしょうか。「私には、二人の子供がいます。その二人の子供が将来愛する人に自分を紹介する際、『こちらが私の日本一のお父さんです』といって紹介されるように、まず自分自身の後姿を整え、人格を高めたい」ということでした。
 
 中国の古典「大学」という書物の中に「修身、斉家、治国、平天下」という考え方があります。何よりも先ず、自分自身の人格を高め、魅力的な人間になることの大切さを述べたものですが、それと同じようなところに気づいてくれたのが、とてもうれしく思いました。
 
 「日本一の父親」かどうかは、自分の後姿をしっかり見ている子供さん達が、これから将来にわたって、判断してくれることでしょう。今後、彼は、「『社会人としての心がけ』の徹底した実践でそのレベルを上げていく」ということです。人としての人間性、人格を高めることで、日本一♂キかい、やさしい、思いやりのある雰囲気のパン屋も可能なことでしょう。

 もう一つうれしかったのは、私の投げかけた問いに即座に答えたものの、果してそれで良かったどうか、もう一度丁寧に考え直してくれたことです。丁寧に考え、丁寧に行動することを目標にしている私にとって、とてもうれしいことでした。将来は、きっと、立派なパン屋さん、地域の人々に必要とされるパン屋さんになることでしょう。

 
2009年10月 第225号より
芳野 栄
 
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