木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

掃除からの気づき

 

 毎朝、お店の周辺をスタッフ全員で掃除をし、作業終了後は、仕事場の中を毎日掃除していますが、最近、ほんの少しですが、掃除から気づくことがありました。

 それは、 「徹底して」 「心を込めて」 「無心に」 「なるだけ汚れている所を」 「輝き出すまで」 掃除をする意味が少し理解できたことです。これまでは、ゴミの散かっている所を、きれいにするためにホウキを使い、そのゴミを集めるというやり方でした。ある日、道路端を掃除していると、ホウキでは取れにくい、土ぼこりの塊がありました。何度掃いても取れません。これまでは、それをそのままにしていましたが、今回は、何とか取り除こうと思って、固いものでこさぎ取り、そこの部分をホウキで土ぼこり一つなくなるまで徹底して掃きました。そうすると、何かしらそこの部分の空気が変わったように感じました。その時はじめて、徹底して掃除をして汚れを除くと、そこの空気が変わることに気づきました。徹底して一つの所を掃き続けたのが良かったようです。

 そのように気づいてから、何か掃除をする楽しさがわかったように思います。一つの所を徹底してやると無心になれます。心を注ぎ思いを込めてやると、その場所は必ずきれいになるようです。しかも、それをやるのはなるべく汚れのひどい所をするほうが効果があるようです。ポイントは、掃除したところがきれいになることを越え、 「輝き出したな」 「空気が変わったな」 と感じるまで徹底してやることです。

 掃除をすると、心が磨かれると言われています。心を磨くには、目の前にあるものを一生懸命磨くことが大切だと言われています。掃除した部分が輝き出し、そこから良い空気やエネルギーの発生が感じれるようになることや、心に何か変化を感じれることが、少し心が磨かれたことになるのかなとも思いました。

 そのことがあって以来、掃除に取り組む姿勢が変わってきたようです。ホウキの先端に力が入るようになりました。掃除するスピードがあがりました。周りの汚れているところが気になりはじめました。掃除後は、充足感や達成感よりも、心の喜びを少しずつ感じれるようになりました。掃除には、きれいにする掃除と心を磨く掃除があるのではないかと感じはじめました。

 まだまだ、気づいていないところや足らないところが沢山あると思いますが、これからも 「徹底して」 「心を込めて」 「無心に」 「なるだけ汚れている所を」 「輝き出すまで」 を意識しながら、掃除に取り組み続けたいと思います。

 

2009年5月 第220号より
芳野 栄

 

 
戻る