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食事の前は「いただきます」の合掌 |
食事の前は、「いただきます」の合掌をしていますが、ある時不思議な体験をしました。 食事の前に、いつもと違って背筋を伸ばし胸の前できちんと両手を合わせ「いただきます」とはっきり言ってみました。すると、なぜだか食物に対してや食事をいただけることに対して又調理をしていただいた方に対して大きな感謝の念が心の底から湧いてきました。「ありがたいことだ」そう思った瞬間、目の前にある料理がこの上もない御馳走に見えました。決して豪華な食事ではないのです。もちろん、おいしくいただきました。食事のあとにも「ごちそうさまでした」ときちんと手を合わせました。「いただきます」の合掌から「ごちそうさまでした」の合掌の間、心が満たされとても幸せな気持ちでいっぱいでした。 最近、忙しさのあまり、あわただしく食べ物を口にし、食事を済ませてしまうという光景を目にすることがよくあります。空腹を満たしているだけにしか思えない時もあります。そのような食事を餌を食べている≠ニ評する方もいらっしゃるようですが、忙しい中にも食べ物に対して感謝の気持をはっきりと行動で示すことで、空腹を満たす餌≠ゥら体をつくる食事≠ヨと変わるのではないかと思います。「いただきます」と手を合わせること、「ごちそうさまでした」と手を合わせること、これが感謝の気持を表わす行動だと思います。また、そのような気持で食事をすることが何より自分の健康に良い影響を及ぼすことになるのでしょう。 現在、食育ということが盛んに言われています。食べ物に対する感謝の気持や家族そろってコミュニケーションをとりながらの食事、食事のマナー等を伝えましょうと言われていますが、私はその基本が感謝の心を育むところにあるのではないかと思います。「いただきます」「ごちそうさまでした」と言って感謝の気持をきちんと手を合わせ表わすところに食育の基本があるように思います。そのようなところから、人や物や自然、社会に対する思いやりの心も育まれ、本来あるべき食事の姿等もおのずと理解できるようになるのではないでしょうか。 私達は、口から食べ物を入れることでしか自分達の生命を維持することはできません。だとしたら、食べ物を口にする行為つまり食事に対して、もっと謙虚さと感謝の気持を持つ必要があると思います。 |
2008年12月 第215号より 芳野 栄 |