自我を抑え
稚心
を
去
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「健康で健やかに、明るい人間に育って欲しい。」、「思いやりのある、心優しい人間に育って欲しい。」、「将来は、人の役に立つ人間に育って欲しい。」
生まれたばかりの我が子を抱いた時の親の願いは、このようなものではないでしょうか。親としての子どもに対する本来の願いとは、このように欲のない、単純なものであるはずです。純粋な、汚れを知らない、まっ白な
眼
ところが、時がたち、日がたつにつれて、親は、本来もっているはずの純粋な、正しい思いで我が子を見れなくなり、いつものように自我に覆われた、欲のある
眼
一方、子どもの方も、自我が芽ばえはじめると、自分と他を区別しはじめ、自分の思いや感情を押し通しはじめ、親子の間で意見や考えが合わず自我と自我のぶつかり合いとなっているようです。 また、現在の一部の若いおとうさんやお母さんを見ていて気になることがあります。それは、親としての自覚に欠け、心が未熟ではないかと感じることです。 橋本左内という幕末の志士の書いた「啓発録」という本があります。その本で、一番最初に書かれた言葉は、「
稚心
大きくふくらんだ自我と未熟な心。このような大人のもとでは、子どもはまっ直ぐに正しく育ちにくいでしょう。まず、私達大人が、しっかり身を修め
稚心
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2008年7月 第210号より 芳野 栄 |