根を張る経営 |
小麦粉をはじめ副資材も含めて、多くの材料が値上がりし私達パン屋をとりまく環境が厳しくなってまいりました。従来のやり方では、なかなか上手くいかないのが現状のようです。 そこでこれからの経営に求められるのが「根を張る経営」だと思います。木に例えるなら「根」にあたる部分を大切にしましょうということです。 二宮尊徳の遺した言葉の中に「遠くを図る者は富み、近く図る者は貧す」という言葉があります。目先のことばかりにとらわれすぎると、結果的にうまくいかないということです。それよりも目に見えない「根」にあたる部分をしっかり充実させていく方がすぐに結果に結びつかないとしても長い目で見た場合、はるかに良い結果を残すことができるでしょう。 これからの業界を活性化させるためには私達はもっと「根」に当たる部分に目を向ける必要があると思います。まず経営にたずさわる人が、人間としての「徳」を備ええた人物を目指すこと。そしてその経営者が中心となり理念、経営哲学、人生哲学に裏打ちされた思いやりに満ちた良い社風をつくることが何よりも大切だと思います。 次に経営力、販売力、技術力のバランスをとることも必要でしょう。さらに、地域社会に根ざした経営も心がけなければなりません。自社(自分の店)の発展だけに目を向けず、地域社会との関わりを大切にしていく必要があると思います。 H20.3.18 開催されたパンメンバーズ例会講演会要旨より |
2008年 4月 第207号より 芳野 栄 |