木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 
「三方よしの経営」を目指す


昔の近江商人の商いの心構えとして、「三方よしの経営」というのがあります。つまり、商いをする商人にとっても、お客様にとっても又仕入先にとっても、いずれに対してもそれぞれに利があるような経営をし、いやしくも自分だけに利を求めてはいけないという経営です。

このたび、先月号の"木々のささやき""ホームページ"にて、木輪の定休日を火曜日から日曜・祝日に変更致しますとお知らせ致しました。

木輪では、平均年齢が二十七才位という若いスタッフばかりで、日頃から忙しいにもかかわらず誠実に、一生懸命働いてくれています。 しかも、早朝からの長時間労働となっています。そんなスタッフを見ておりますと「休日が友達や家族と合わなくてつらいだろうな」と、本当に申し訳ないという思いが募ってまいります。経営者として、日頃から、社員に対して喜びを与えることが大切だと思いつつも、実行できてない事を反省し、何か喜びを与えたいと思っていました。パン屋だから早朝からの仕事は仕方ない、むしろ当たり前だという考え方もあります。又、サービス業だから日曜・祝日は営業して当たり前だという考え方もあります。しかし、彼らを見ていますと、そうした当たり前と言われることを理解してもなお、本来の休日である日曜・祝日に休めるようにしてあげたいと、強く思うようになりました。その結果、周りに対する何の配慮も考えることもなく、日曜・祝日を定休日に変更する旨をお知らせした次第です。

しかし、よく考えてみますと、これらの判断は経営者として、スタッフを思う気持は正しいとしても冒頭に述べました、「三方よしの経営」に果して合致しているかというと、お客様にとっての利がなくなっいることに気づきました。日曜・祝日には、ありがたいことにこれまで多くのお客様がご来店され、木輪で楽しいひとときを過ごされています。中には、日曜・祝日にしかご来店できないお客様も、相当数いらっしゃると思われます。そう考えますと私の判断した事は、そのようなお客様に対して配慮が足らなかったと反省せざるを得ません。お客様にとっても、木輪にとっても、スタッフにとってもいずれにとっても利がある経営が、まごころを贈る木輪の「まごころ経営」の根幹をなすべきだと考えました。以上の理由から四月からの定休日をトップページの「お詫びと訂正」のようにさせて頂くことになりました。

このたび多くのお客様にご心配とご迷惑をおかけ致しましたこと心より深くお詫び申し上げます。今後とも「三方よしの経営」を目指してまいりたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。

 
2008年2月第205号より
芳野 栄
 
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