木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

素直になると夢は叶う

 

 素直さとは、人の言うことを「はい、わかりました。」と言って受け入れていくことだと思います。そして、受け入れたことを実際に行動していくことで自分の抱いている夢は叶っていくように思います。

 スタッフの一人、店長である内野愛子さんは、そのことを実践されました。

 私は、以前から「パンの技術講習会に参加したなら、習った内容を必ず復習し、パンを実際に造ってみましょう。そして、それを講師をつとめられた方に送り、その出来ばえを批評していただき学びを深めていきましょう。又、その講師とのご縁を大切にし、深めて、これからの製パン技術に関する自分の師としていきましょう。」と伝えてきました。

内野さんは、そんな私の話を素直に受け入れ、二年前の講習会でご縁をいただいた講師の方とのお付き合いを深めてこられました。そして、このたびその講師が神戸で行う講習会の助手に採用されたのです。助手を務めるのは、誰でも自分の思いのままに務まるものではありません。技術能力が高いだけで務まるものでもありません。そこには、技術能力の他に人としての魅力があることが大切になってきます。

 私も同じ製パン技術者として、そのような場を経験したいものだと思ってきましたが、未だ果たせません。

 内野さんは、私の伝えることを素直に受け入れ、言われた通り実行に移した結果、機が熟することで今回のことが叶ったのではないかと思います。こちらの方から助手をしたいと申し出ることなしに、講師の方からのお誘いでした。教えていただいた事を復習する。それを講師のもとへ送り批評していただく。その後、そのご縁を大切に、生かしていく努力を続けていく。当たり前と言えば、当たり前のことかもしれませんが、実際に実行するとなると忙しい中ということもあって、面倒でややこしく、時間を費やすために、なかなかすぐに行動に結びつかないのが現実で、他のパン店に於いても、ここまでやっておられる方は、少ないように思います。

 素直な心の持ち主は、とても魅力的な人間です。人に好かれます。初対面の方とでもうまく調和できます。そうしたことで今回の大役も周りの方々の大きな協力を得ながら果たせたのではないかと思います。

 「素直になると夢は叶う」ということをつくづく感じた今回の出来事でした。素直になることで夢が叶うとしたら素直な心を身に付けない手はありません。

 
2007年12月第203号より
芳野 栄
 
戻る