読書百遍意自ら 通 ず |
「読書百遍意自ら通ず」という言葉があります。
ある会社の社長であるHさんは、子供の時に、お母さんから聞いたこの言葉をそのまま実践してみようと思い
百回読み返すうちの心の変化として、自分一人で生きているのではなく、周りの環境から生かされていることがわかり、社員に対する感謝の気持ちが芽ばえてきて、社員が会社に来てくれるだけでありがたいと思えるようになったそうです。社長自らが変わることで、会社自体もこれまでと違った別会社のようになったそうです。売上高や利益といった数字を追うのでなく、社員が働きやすい職場環境の整備をしたり、良い社風づくりを目指すようになったということです。社員教育の一つとして幹部社員には、二ヶ月に一冊の課題図書を与えます。
以前のHさんのことは、存じませんが その容姿、立居振舞いは、堂々とし、落ち着き払い、又表情は、柔和で穏やかで「素心学講義」の著者の池田繁美先生にその姿が重なって見えました。
「読書百遍意自ら通ず」。一冊の本を百回読み返すことの大切さと、その意味することの大きさを感じることができました。 |
2007年8月第199号より |