木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

丁寧な行動をしよう(2)

 丁寧な行動を心がけることで、心豊かに人生がおくれるようです。また、ちょっとした出逢いも丁寧な考え方や行動を心がけることで、すばらしい関係に発展するようです。

 木輪に勤めて八年になる内野愛子さんは、今年に入って丁寧な考え方や行動を心がけているようです。

 今年の二月の初め、熊本で日本を代表する製パン技術者の講習会に出席しました。講習会が終わった後、講師の先生と名刺交換しご挨拶申し上げ帰ってきました。そこまでは、普通の方もやっていらっしゃいます。彼女がすばらしいのは、帰ってきて数日後、その講習会で習ったパンの復習を実施し。それを店に並べて商品化する一方、その出来ばえを教えをいただいた講師の先生に送って批評していただき、さらにレベルの高い商品を求めていったことです。さらに彼女は、講師の先生との関係を疎遠なものにしたくないとの思いから、講師の先生の勤められているパン屋さんの見学を申し出ました。講師の先生が忙しくなかなか連絡がとれないにもかかわらず、なんとか連絡をとり、さらの製パン技術を深めることやそのパンを使った調理の方法等多くの課題を持って東京のその講師の元を尋ねました。彼女は行動一つひとつを、まずしっかりと足元を踏み固めながら丁寧に一歩ずつ進めていくのです。

 丁寧に行動することは、なかなか大変です。何より時間と手間がかかります。また、積極的に行動しなければなりません。さらに、地道な努力をコツコツと一つ一つ積み重ねていかねばなりません。すぐに他に目が移りやすく、「いま、ここ」を大切にせず、もっと手取り早くいい成果をあげようとする誘惑に負けてはなりません。また、成果がすぐに出ないことに諦めてもいけません。そうしたことを乗り越えながら、自分の思いを成し遂げるべく努力をひたむきに続けていくことによって彼女の思いは実現されていったのでしょう。

 改めて、丁寧な行動をすることの大切さを彼女に学びました。


 

2006年6月 第185号より

芳野 栄

 
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