木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

良い習慣を身につけよう 

 良い習慣と悪い「クセ」どちらを身につけたいと思いますかとの問いに十人が十人「良い習慣」と答えられるでしょう。人には、多かれ少なかれ自分の自覚していない悪い「クセ」を持っているものです。しかし、そのことに気づきその悪い「クセ」を正していくことで、よい習慣となり身についていくことがあります。

  私の場合、これまでの育った環境やいろいろな立場から人に対して意見を述べたり、指導したりということが多くありました。その結果、人との集まりの中であるいは、社内で自分の意見や考えを述べてばかりで、他人の意見や部下の考えを丁寧に聴いて物事を判断していくということが少なかったようです。

 ところが最近、そうした自分の悪い「クセ」に気づきはじめて以来、自分一人の意見や考えには、限界があり、そこから導びき出される結果も、おのずと良い結果が導き出されなくなったことに気づきはじめました。

  そこで私は、これまでの悪い「クセ」を正していくために、人の意見や考えを最後まで「聴き届ける」という習慣を身につけようと思いました。自分と異なった意見や考え方を聴くと、もうその場で口出ししたくなるのをぐっとこらえて、最後まで聴くのです「なるほど」とうなずきながら自分の中に全てを受け入れていくのです。悪い「クセ」を持った私にとって、とても忍耐のいることです。しかし、最後まで聴きとどけることによって不思議と私の考えに比べて数段もすばらしい意見や考えがあることに気づかされています。一人より二人。二人より三人とより数多くの人の意見や考えを丁寧に聴くことによって何か全てに無理のない結論が導き出されてくるように感じています。

  ちょっと自我を押え、ちょっと譲る気持ちを持って耳を傾むけ、聴きとどけるという良い習慣を身につけることによって、これからの人生も変わってきそうです。本当に良い習慣として根付くまでにまだまだ時間がかかりそうですが辛抱強く、身につけていきたいと思います。


 

2006年5月 第184号より

芳野 栄

 
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