木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

自分を変えよう

 

坂村真民さんの詩に「殻」というのがあります。

    殻
殻を脱ぐ
それはカニもやる とんぼやせみもやる
人間もこれをやらねばならぬ

木は年輪を持つ 竹は節を持つ
人間もこれを持たねばならぬ

生まれたままでは
万物の霊長とは言われぬ

殻を脱ごう
年輪や節を持とう

新しい自分をつくるために
新しい世界を開くために

 また聞くところによりますと秋に鳴くこおろぎもあの美しい羽音を出すまでに何度も脱皮をくり返すそうです。

いずれも自分の殻を破り、脱皮することで新しい自分になることの大切さをあらわしているようです。これまでの考え方や行動パターンにとらわれ、消極的になっていては、自分は変わらないようです。自分がより成長したいと思うなら勇気を持って自らの殻を破り自分を変えていく必要があるのではないでしょうか。

生まれて年を重ねるにつれて自分勝手な思い込みのくり返しから何か事が起こってもそう考えるのが当たり前だからとの判断を下してしまい、変化を受け入れなくなってしまっています。

 文字通り自分の殻に閉じ込もってしまって自由に考え行動することを自ら拒んでいるようです。自分を変えることで新しい発想や思いや行動ができ変化を受け入れることができるようになるにもかかわらずです。

 殻を脱ぐ、殻を破る、脱皮するいうことは、心のクセを正すことであり、素直な心になることにほかなりません。

 自分を変える上で、もう一つ大切なものに価値観を変えるということもあると思います。これまでの自分は、何に価値観を置いていたのかを考えなおし変えてみることです。例えば、これまで大きくしていくこと、伸ばしていくこと、広げていくことに価値観を見いだしていたとすれば、これからは、掘り下げること、極めること、深めていくことといった事に価値観を変えてみてはいかがでしょうか。そうした価値観に対して、具体的にどう行動していくのかが問われているようです。売上げを伸ばすことから社員への充実を図ることや、多店舗化するよりも、一店舗でお客様への満足度を高めていくこと、またあれこれと新しいものを追い求めるより、一つ一つ深めて充実したものにしていく等、価値観を変えてみることで考え方や行動の仕方も随分変ってきそうです。

 これまでの自分にとらわれず素直に自分の殻を破り価値観を変えることで新しい自分と新しい人生が開けていくと考えます。

 

 

2006年1月 第180号より

芳野 栄

 
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