「木輪のこだわりは何ですか?」と雑誌の取材等を受けた際よく尋ねられます。そんな時「木輪のこだわりは○○○です。となかなかきちっと答えることができませんでした。
「自家製の材料を多く使っています。カスタードクリーム、粒あん、こしあん、カレー等は自家製でおいしさを追求し、その他の材料も自分達で造っているものが多くあります。」
「天然酵母も市販のものでなく、自家製で旬のフルーツを使い、自ら酵母を培養しそれを発酵させてパンを造っています。」
「製法も商品によっては、低温長時間発酵させたものがあり、手間と時間をじっくりかけて造っています。」
また「日替わり商品を充実させ 今年の年頭にあたり、「もっと幅広い人生を歩みたい」という思いを抱きました。
ある日、日めくりカレンダーで「深めると広がる」という言葉と出会いそれ以来、自分に関わりのあることについて一つ一つ「深める」ことを主題として過ごしてきました。
読書、友人との交際、スタッフとの関わり合い、仕事、子供とのコミュニケーション等々、その場、その時を大切にしながら、先へ先へ進むことをひかえ、じっくり考え、深める努力をしてまいりました。そうしているうちに、物事を「深める」上でとても大切な言葉に出会いました。それは「丁寧」という言葉です。決して「雑」であってはいけません。丁寧に本を読む、友人と丁寧なお付き合いをする。スタッフに対して丁寧な思いやりのある行動をとる。丁寧に一つ一つ仕事の歩を進める。丁寧な挨拶を交わす。丁寧に子どもとのコミュニケーションをくり返す…。
丁寧に行動することによって「深めよう」と思っていたことが少しずつ深まっているのに気づきました。反対に「雑」に行動してしまうと、確かにある一面では、広がりを感じるかもしれませんが、最終的には、底の浅い、薄っぺらな結果に終わるようです。
丁寧に行動することは面倒で、手間がかかって、時間がかかって、骨が折れることです。なかなか結果が表れないことに途中で投げ出したくなることもありますが、ここは勇気を奮い立たせて、
「面倒だからしよう」
「手間がかかることを敢えてしよう」
「時間がかかりから時間をおしまずじっくりやろう」
「骨が折れるこだからたのしみながらしよう」
という風に考え直すことで「丁寧」な行動が少しずつ身についていくように思えてきました。
丁寧に物事を考え丁寧な行動をこれからも継続することでこれからの人生を幅広く味わい深いものにしていきたいと思います。