木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

「感謝する」ということ

 私達は、人から恩を受けたり、有難い行為を受けたときに、「感謝いたします。」と、「感謝」という言葉をよく使います。

 ありがたい気持ちを表現する言葉として使っていますが、最近、「感謝の気持ちは、行動に移して、返してこそ本物の感謝だ」と気づくことがありました。

 五月の連休の前々日のこと、翌日は、連休の前日の土曜日でもあり、多量の注文を受けていたこともあり「明日は生産量がとても多くなるが、どう切り盛りすればよいかなあ。」とスタッフと相談していたところ、一人のベテランのスタッフが「私が二時から出社して頑張ります。」と言ってくれました。すると、「では、私は三時から出社して、そのあとをフォローします。」と他のベテランのスタッフが続けて言ってくれました。二人の言葉がとてもうれしく感謝しながら早朝出社をお願いし当日を迎えました。すると驚いたことに、すでに他のスタッフ達も早出を自らの意志で実行してくれていて、私が出社したときには、すでに各自が自分の仕事をはじめてくれていました。何とすばらしい社員達であろうと心からうれしくなり心から感謝いたしました。「ありがたい。本当にありがたいことだ。うれしい。本当に心からうれしい。」と思いました。

 そこで、「何とかこの感謝の気持ちを具体的に行動として表わし、感謝の気持ちを返したい。」という気持ちが沸々と湧いてきました。もちろん、その場で、また帰り際に、「きょうは本当にありがとう」と感謝の気持ちを伝えましたが、連休に入ったこともあり、早朝出社していただいたスタッフ一人一人に感謝の葉書きを書いて「ありがとう」の気持ちを伝えることにしました。一人一人の顔を思い浮べながら丁寧に感謝の気持ちを記しました。

 連休が明けた翌日、感謝の気持ちを伝えたスタッフから、「びっくりしました。ありがとうございました。」「丁寧にありがとうございました。」と反対に感謝の言葉を頂き、またまたうれしくなりました。

 今回のことで、「感謝する」ということは「ありがとうございます」と言って、ありがたい気持ちを伝えることも大切ですが、それ以上に、感謝の気持ちを具体的に行動に移して相手にも自分が味わった喜びと同じ喜びを与えてこそ、本物だということを感じました。

 また、スタッフに「ありがとうございます」と言って感謝するばかりでなく、スタッフから「ありがとうございます」と言って、感謝されることの多い私に少しでもなれるよう、スタッフ達から私が頂いている「安心と喜び」と同じ「安心と喜び」をスタッフ達に与え続けていきたいと思いました。

 ありがとうございます。木輪のすばらしいスタッフ達。

 
 
 
 
 

2004年6月 第161号より

芳野 栄

 
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