木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

日めくりカレンダーは人生の教科書

 店内に鍵山秀三郎さんの日めくりカレンダーがあります。毎日、このカレンダーを一人の女性スタッフがめくり続けてくれておりますが、私も一日に何度となく日めくりカレンダーを読み返しております。そうした中で感じたことを述べてみたいと思います。

 まず、「日めくりカレンダーは、身近な人生の教科書」という思いを強くしています。どの日をとってみても、なかなか含蓄のある言葉が書かれてあり、作者のこれまでの人生からにじみ出た、また、実体験に基づいてつかんだ大変貴重な言葉であるように思います。そうした言葉の一つ一つが私の人生の指針となっています。

 次に「同じ言葉でもその日その日によって感じ方が違うということです。」同じ言葉でも気分が落ち込んでいる時に読むと心の底から勇気が湧いてきたり、前向きな考え方に救われる思いがします。また、調子が良く順調にいっている時は、もっと深い所にかくされた意味を知ろうとし、新たな気づきや教えを学びます。その時、その時の気持ちをよく反映しています。

 三つ目に「いつもすばらしい言葉に浸っておくことが出来る」ということも日めくりカレンダーのもつすばらしさだと思います。一日一語。一ヶ月に一回しか出会えません。一年にしても十二回。しかし、毎日毎日このことをくり返していると、一日一語が一日三語のように感じられ、場合によっては、あすの分、あさっての分と、先、先と見てしまうようになります。このくり返しで一年終わるころには、十二回以上一つの言葉に触れることになります。一日三回、日めくりカレンダーに目をやることになると、三十六回以上となりそうした、すばらしい雰囲気の中に身を置く時間が多くなります。すばらしい雰囲気が知らず知らずのうちに心に浸み込んできます。このことが日めくりカレンダーのとてもすばらしい効用であるように思います。知らず知らずのうちに作者の思いを理解し、深め、自分の体験にまで高めることができるのです。一日一日カレンダーをめくる作業をくり返すことが知らず知らずのうちに自分を高め、人生を深めていくことになるのでしょう。

 私の好きな言葉を鍵山秀三郎さんのカレンダーから選んでみました。

・深めると広がる
・できるだけ譲る
・骨惜しみをすると心が荒む
・平凡なことを非凡に努める
・大きな努力で小さな成果
・箸よく盤水を回わす
・丁寧に暮せば心が豊になる

 
 
 
 
 

2004年5月 第160号より

芳野 栄

 
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