木々のささやき まごころを贈る パンの木輪 北九州市 八幡西区

 
 
木々のささやき
 

勤勉さを大切に

 内村鑑三氏の「代表的日本人」という本を読みました。その中に書かれてある二宮尊徳について読んでみて改めて勤勉であること、誠実であることが大切ということが理解できました。皆様も二宮尊徳については、ご存知と思われますが、私の感動した部分をご紹介させていただきます。

 二宮尊徳は十六歳の時に親を亡くします。それから伯父の家に預けられ、早朝から夜遅くまで働きますが、字の読めない人間にはなりたくないとの思いから、孔子の「大学」という本を手に入れ、仕事が終えた深夜に勉強に励みます。しかし伯父は灯油がもったいないと叱ります。そこで今度は自ら土地を開墾しそこにアブラナを植え、そこでとれた菜種を売って自分で得た油で読書をしようとします。が、今度は伯父からお前そのものもお前の時間全部がおれのものだ。読書のような無駄なことはするなと叱られます。それにまた従いますが、決して勉強意欲は衰えません。そこで干し草や薪を山に拾いに行く時間に読書時間をつくり勉強をするのです。

 なんと自分の信念を貫く人でしょう。

 彼は荒廃した田畑や村を鍬1本でみごとに建直していきます。そのために「仁愛・勤勉・自助」の徳を徹底して励行したそうです。道徳を改革の要素として重視し、贅沢な食事は避け木綿以外は身につけず、人の家では食事をとりません。一日の睡眠はわずか二時間のみ、畑には誰よりも早く出て、仕事をし、そして最後まで残り、村人に望んだ苛酷な運命を自らも共に耐え忍んだそうです。

私は二宮尊徳という人は自らそのように働くこと、また働けることを喜びとし、神に感謝していたのではないかと思います。そうでない限り、肉体の限界をはるかに越えた労働に耐えることはできなかったでしょう。すばらしい高い心の持ち主だったのだと思います。

 昨今の風潮を見てみますと、苦労はしたくないが楽な生活がしたい。「勤勉」「一生懸命働く」ということを軽視しがちです。「誠実」となると何か正直者が馬鹿を見るといった具合です。とても残念なことです。

 私は自分の仕事を通して「一生懸命働く」「努力する」「誠心誠意まごころをつくす」ということがいかに大切であるかを体験いたしました。二宮尊徳に学ぶ通りだと思います。二宮尊徳の「勤勉」さ「誠実」さを表現している箇所を抜き出してみました。

「土地と人心の荒廃を建直すのに、権謀術策はありません。ただ魂のみ至誠であれば、よく天地をも動かす。」
「勤勉と誠実とにより独立と自尊に至らないわけはない。天地は絶えず活動していて我々をとりまく万物の成長発展には止む時がない。永遠の成長発展の法にしたがって休むことさえしなければ貧困は求めても訪れない。」

私は二宮尊徳というすばらしい人格者にもっともっと学んでいきたいと思います。

 
 
 
 
 

2004年2月 第157号より

芳野 栄

 
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